サルコペニアとは加齢や病気によって筋肉量が減少し、同時に身体機能も低下した状態がサルコペニアです。
ギリシャ語のサルコ(筋肉)とペニア(喪失)を合わせた造語
サルコペニアになると特に抗重力筋(広背筋・腹筋・膝伸筋群・臀筋群など)の低下が多く見られることから
立ち上がったり歩いたりするのが困難になります。頻繁につまずく、立ち上がる際に手をつくような場合には
かなり症状が進行していると考えられ、進行するほど生活の質(QOL)の低下を招き寝たきりになってしまうことがあります。
しかし、サルコペニアは筋肉量の減少が病態であるため、十分な栄養摂取や運動によって筋肉量を増やし
筋力を強くすることで進行をある程度抑えることができます。
サルコペニアの原因には
● 年を重ねることによるもの(一次性サルコペニア)
筋肉量の減少は誰にでも起こるもので一般的には25~30歳から始まり年を重ねるにつれて
徐々に進行していきます。
● 病気に伴う消耗や身体機能障害によるもの(二次性サルコペニア)
臓器不全や炎症性疾患、内分泌疾患、癌などの病気に付随してサルコペニアが起こるほか
病気によって安静を強いられ不活動になることもサルコペニアの原因です。
サルコペニアの症状
筋肉量が減少して筋力が低下することで、立ち上がりや歩くのが困難になる
頻繁につまずく、体が思うように動かないなどの症状が現れます。
このような症状によって生活の質(QOL)の低下に繋がるほかさらなる不活動を招き寝たきりになって
しまうこともあります。転倒や骨折の危険性が高まる原因にもなります。
また、筋肉量が減少すると血糖値を調整する力が低下して血糖値が変動しやすくなります。
物忘れ、免疫力の低下・嚥下機能低下・呼吸機能低下に繋がるという報告もあります。
サルコペニアの治療
進行を防ぐためには運動と食事が有効であるため、サルコペニアと診断されたら運動指導と食事指導が行われ
患者自身で取り組むこととなります。
サルコペニア予防に必要な食事とは
筋肉を維持するために十分なエネルギーとタンパク質摂取が必要です。
3つの食事ポイント
① 十分なエネルギー
エネルギー不足の状態では筋肉がエネルギー源として分解されサルコペニアが進行します。
体重減少がないように十分なエネルギーを摂りましょう。
② タンパク質
筋肉の材料はタンパク質です。
エネルギーとタンパク質の片方でも不足している場合、筋肉を維持することはできません
③ 1日3食均等に栄養を摂る
1日に必要な栄養を3食均等に摂ることで、効率よく筋肉合成が行われます。
またビタミンDとカルシウムも重要な栄養素で転倒や骨折の予防に繋がります。
このような栄養素を意識しながら、主食・主菜・副菜を揃えたバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
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