漢方では、「気・血・水」を体の構成要素と考え、この3つのバランスが整っている
状態を健康と考えます。気は生命活動の源となるエネルギー・血は血液・水はリンパ液や
汗などの体液を意味しています。疲れは主に気や血が不足した状態です。
検査値に異常はないが、疲れやすい・疲れが取れにくいといった不調段階(未病)から
治療に取り組めるのが漢方の特徴です。漢方が疲れにアプローチする場合、まずは不足分を
補うことからスタート。最終的には気・血・水の3つがバランスよく体内を巡ることを
目指します。
●疲れ対策の基本は睡眠です。
血・水はいわゆる物質、物質を動かすにはエネルギーが必要です。そのエネルギーとなるのが
気で、一番重要。疲れのケアとしては、不足した気を補うことが何より優先されます。
漢方では、気を補うものは食事と睡眠と考えています。この2つのうち優先すべきは睡眠。
疲れている時は胃腸が弱っていることも多く、そこで無理に食べると消化、吸収のために
エネルギー(気)を使ってしまい、かえって疲れを助長してしまう可能性もあります。
多忙な日が続いた後や月経中などの疲れやすい時は、意識的に早く床に就き、普段よりも
長く睡眠をとってエネルギーをチャージするようにしましょう。
●疲れを感じないのは危険?
疲れを感じているうちはまだよい方です。疲れが慢性化すると、疲れに対して鈍感になり
疲れを感じにくくなってしまいます。また。疲れはそのものよりも、冷えや肩凝り、胃腸の不調
頭がボーッとするなど、多様な症状を訴えるように、こういった様々な症状の背景に
疲れが隠れていることが多いのです。
疲れが慢性化すると虚弱状態が進行し、気力がなくなり体も思うように動かなくなり
年齢以上に老け込んだ感じになってしまう恐れがあるといいます。
また、抗うつ状態など精神面にも悪影響を及ぼしてしまうこともあるそうです。
そうならないためにも、疲れはこまめに解消することが大切です。その日に消耗した
エネルギー(気)はその日のうちに十分に睡眠をとってチャージすることを心がけましょう。
●無理して頑張らないのがコツ
女性は体のピークを過ぎた30代半ば以降は、エネルギー(気)の無駄遣いをしないこと。
具体的には、家事も仕事も何でも100%こなそうと思わないことです。
10代、20代の頃よりエネルギー(気)は確実に小さくなっています。何事も力任せで
行うのではなく、経験に基づき、常に物事に優先順位をつけることが大切です。
今、一番やるべきことは何かを考えて、意識して力を抜くことがポイントです。
頑張ることがよいことだと思っている人は発想の転換が必要です。
大人の女性は、無理して頑張らないのが疲れないコツ。これは老化の予防にも繋がります。
賢く力を抜いて、明日の元気を作りましょう!
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