コレステロールが高くなる原因には、体質(遺伝)・脂肪の多い食事(欧米スタイルの
食生活)・運動不足などがあり、男性は40~50歳くらいから
女性は閉経を迎える頃から高くなることが多くみられます。
脂質異常症はコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が異常な値になる病気です。
●コレステロールが動脈硬化を起こす仕組み
動脈硬化は、血管の壁が厚くなって血管の内側が狭くなった状態を言いますが
これは血管壁の中にコレステロールがたまることが1つの原因です。
血液の中に悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増えると、それが血管壁に
入り込んで、コブのような動脈硬化ができます。なお善玉コレステロール(HDLコレステロール)
は逆に動脈硬化を防ぐ働きがあります。動脈硬化が進むと心筋梗塞・狭心症や脳卒中
足などの血管がつまる病気(閉塞性動脈硬化症)になることがあります。
●動脈硬化を起こす危険因子
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いことに加えて、高血圧、喫煙、糖尿病、
慢性腎臓病、低HDLコレステロール(善玉コレステロールが低いこと)などがあると、
より動脈硬化になりやすくなります。このような要因を動脈硬化を起こす危険因子と呼びます。
他の危険因子には、心筋梗塞・狭心症の家族歴・メタボリックシンドローム(内臓脂肪)・
運動不足・加齢などです。
●コレステロールが高い人に勧められる4つのアドバイス
① 食事を見直す=植物性の食品や海産物が多い「伝統的な日本食」が勧められます。
カロリーを適正にして、標準体重を維持しましょう
② 運動を習慣にする=早足歩きや水中歩行などの軽い運動を、毎日30分
あるいは週3回、1回60分以上行うように習慣づけます。
③ 禁煙する=タバコは動脈硬化や癌などの病気を引き起こす要因の1つです。
必ず禁煙しましょう。
④ 薬を飲む=生活習慣の改善でコレステロールが下がらないときは、薬による
治療を行うことがあります。
●コレステロールを下げるための食事のポイント
肉の脂身、乳製品などを控えめに (レバー、肉の脂身、鶏の皮、バターなど)
コレステロールの多い食品を控えめに (卵黄、魚卵など)
野菜、果物、海藻、魚類、大豆製品、玄米などを増やす
塩辛い食品を控えめに、アルコールはほどほどに
※ 食事療法の注意点
食事療法に取り組む方は、まず医師の指示や管理栄養士の指導を参考にして
食事療法を行ってください。
効果の判断については定期的にコレステロールの値を検査し、その変化をみながら
継続できる食べ方を探っていきましょう。
食事は楽しむことも必要ですので、無理のない食事療法が大切です。
特に75歳以上の高齢者においては、厳格な食事療法はむしろ低栄養状態になることも
ありますので、注意が必要です。
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